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根室でしかできないDEEPなこと

野鳥の宝庫、根室で。
バードウォッチング事始め

#バードウォッチング #野鳥

きれいなさえずりを聞かせてくれる小鳥、大きな翼を広げてゆったりと飛ぶワシ。自然豊かな根室では、1年を通して多くの野鳥を観察できます。その恵まれた環境は「野鳥の宝庫」と呼ばれ、世界中のバードウォッチャーから注目されるほど。
一方でスポットや見つけ方は、初心者や根室を初めて訪れる人にとってわからないもの。そんな時に頼れるのがバードウォッチングのツアーガイドです。日ごろ野鳥を眺め続けている根室の自然の案内人に、初心者でも楽しめるバードウォッチングの魅力を教えてもらいました。(鳥の写真は全て澤尾さん提供)
※記事の内容は2023年時点の情報になります

根室の自然の案内人、澤尾秀勝さん

今回バードウォッチングについて教えてくれたのは、根室ネイチャーセンターの澤尾秀勝さん。

釧路出身の澤尾さん。就職を機に根室で暮らし始め、38歳のときに当時広まり始めていたカヌー作りに出合い、風蓮湖の近くで工房を立ち上げました。しかしブームは既に過ぎ、商売として成り立たせるには厳しい状況に。そんな時、転機が訪れます。「工房ではカヌーに乗せて欲しいという要望にも対応していたんです。そしたら釧路川のカヌー業者から声を掛けられて、4年程、夏のガイドを手伝いました。そこで修行をさせてもらいました」。カヌーガイドを通して、鳥の知識も増やしていった澤尾さん。次第に自然ガイドの仕事も増え、2000年に「根室ネイチャーセンター」を立ち上げました。

▶少人数を対象にガイドを行っています。最近では1日かけて根室の自然を周るプログラムが人気だそう。(写真提供/澤尾さん)

ガイドを依頼してくるのは、野鳥観察を体験初心者から鳥を追いかけて全国を回るカメラマンまでさまざま。依頼者の見たいものやその日の気候、鳥の情報に合わせて、根室の半島や風蓮湖の周り、野付半島などの道東らしい豊かな自然を案内しています。

バードウォッチングの楽しみ方とは

そもそもなぜ、根室ではこんなにも野鳥が見られるのか。それは根室の自然環境と地理的な位置にありました。
風蓮湖など湿地帯や水辺が多い根室には、水草や小さなカニなどの食料を求め、多くの渡り鳥が訪れます。春と秋にはカモが、初夏には本州で冬を過ごした小鳥が、冬にはワシが。オホーツクと本州の中間地点にあるこの根室で、豊富な餌を食べながら体力を補うのです。

▶南方からやってくるノゴマ。春から夏にかけて北海道へと渡り、繁殖期を過ごします。

澤尾さんにとってのバードウォッチングの面白さは、鳥の習性がわかること。「今あの子は何を考えているんだろうとか、なぜあっちを見ているんだろうとか。そういう鳥の意思に気づくと面白いです。例えばスズメが松の木の葉が生い茂っているところに隠れたのを見て、何かを警戒しているのかな、と見渡すと、キツネがいたり」。数々の鳥を見てきたからこそわかる、鳥の生活や行動の違い。図鑑や動画では知ることのできない鳥の暮らしを発見できるのが楽しいと言います。

▶仲良く並ぶオジロワシ。冬の根室を代表する野鳥です。

「ワシは意外と喧嘩しなくて、同じ木に仲良く止まっていたりします。でも他のワシが餌を持っていたら奪おうとするんです」。「根室のカモメが一斉に飛び上がるのは、船が入ってきたときと、オジロワシが来たとき。だからカモメが飛んだときに辺りを見ると、遠くからオジロワシが飛んでくるのが見えます」。次から次へと出てくる、澤尾さんが発見した鳥のエピソード。初めて知る鳥の世界の話に、驚きが隠せません。

▶港で過ごすカモメ。全国の海辺で見られる野鳥ですが、じっと観察していると新たな発見があるかもしれません。

一方で初心者にとって不安なのが「鳥を見つけられないのではないか」ということ。コツを尋ねてみると、「慣れもあるけれど」と前置きして、「種類によって飛ぶ場所や好みの高さがあるんです」と教えてくれました。例えばシマエナガは、松の木の1/3より高い位置にいることが多いのだそう。一方でカラ類の鳥は真ん中から下を移動するため、見たい鳥によって目線の位置を変えるのがポイントです。
さらに飛び方も重要なヒント。鳥の種類によって、上下しながら飛んだり、懸命に羽ばたいたりと飛び方に特徴があるため、シルエットでも鳥の種類はわかると言います。

▶つぶらな瞳がかわいらしいシマエナガ。「チリチリ」という鳴き声が聞こえたら、木の高い位置を探してみて。

▶オオワシはゆっくりと羽ばたきながら直線的に飛ぶのが特徴です。

それでも「見たことがない鳥は見つけづらい」と澤尾さん。「実際に見たことがない種類は動きがわからないんです。写真と実物も違いますし」。やはり経験を積み重ねるほど、バードウォッチングの楽しさは増していくようです。

鳥の深い魅力に触れられる、バードウォッチング

根室で見られるたくさんの鳥の話を活き活きと語ってくれた澤尾さん。この土地で暮らし、自然に触れてきたからこそ知っている、図鑑には載っていない鳥の一面。バードウォッチングの奥深さに触れた気がします。
バードウォッチングにトライしてみたい人がいれば「用意するものも特にありません。気軽に来て欲しいです」とのこと。まずは根室の自然に飛び込んで、鳥の鳴き声に耳を澄まして。

Information

インフォメーション

根室ネイチャーセンター

根室市常盤町3-19-8
TEL. 0153-27-1434
https://canoecraft.net

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