朝日がもっとも近い街・根室――その旅のはじまりにふさわしいスポットは、日本の本土最東端の地、納沙布岬(のさっぷみさき)です。
日本でもっとも早い朝日を拝める特別な瞬間に感動を覚えつつ、その一方で日の出とともに浮かび上がる北方領土に哀愁がじわじわこみ上げる、特別な夜明けが体験できます。
撮影時には、岬の先端にそびえ立つ白亜の灯台「納沙布岬灯台」を収めるのもおすすめです。
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日本の本土最東端に位置する根室。日本でもっとも早く朝日が見られるこの街は「朝日にいちばん近い街」としても知られています。根室にはここでしか味わえない特別な風景が広がり、夜明けから日が沈むまで当地ならではのスペシャルな瞬間に立ち会うことができます。24時間でどれだけの絶景に出会うことが可能なのか、一日の移ろいとともに写した根室の絶景を紹介します。
※記事の内容は2024年時点の情報になります
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朝日がもっとも近い街・根室――その旅のはじまりにふさわしいスポットは、日本の本土最東端の地、納沙布岬(のさっぷみさき)です。
日本でもっとも早い朝日を拝める特別な瞬間に感動を覚えつつ、その一方で日の出とともに浮かび上がる北方領土に哀愁がじわじわこみ上げる、特別な夜明けが体験できます。
撮影時には、岬の先端にそびえ立つ白亜の灯台「納沙布岬灯台」を収めるのもおすすめです。
インフォメーション
住 所/北海道根室市納沙布
電 話/0153- 24-3104(根室市観光協会)
営業時間/24時間営業
※灯台内は立入禁止
入場料金/無料
こちらは、納沙布岬から次の目的地へ行く途中にふと現れた光景。牧草地に無造作に転がされた牧草ロールは北海道では割とよく見かけますが、日本一早い朝日のグラデーションにやさしく包まれる姿は、どこか特別で思わず見とれてしまいます。
根室半島の付け根に位置する「春国岱(しゅんくにたい)」はオホーツク海と風蓮湖を隔てる全長約8km、最大幅約1.3kmの細長い砂州です。
干潟や湿原、海岸草原、森林などで構成された春国岱では、約250種もの野鳥を観察することができます。野生動物も多く生息しているため、出会うチャンスがあるかも。
そんな春国岱での朝は特別。野鳥のさえずりとともに、野生動物たちの息遣いが感じられる空間でもあります。
立ち枯れの木々が見せる、まるでこの世の果てを思わせるような景色もまた春国岱の魅力のひとつ。春から夏の終わりにかけては海霧も加われば、いっそう神秘的な表情を楽しめるかもしれません。
インフォメーション
住 所/北海道根室市春国岱
電 話/0153-25-3047
(根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター)
営業時間/遊歩道は24時間営業
入場料金/無料
次に向かったのは、日本最東端を走る「花咲線」を展望できる絶景スポット。
花咲線は、JR根室本線の一部で釧路から根室の区間を指します。一両編成の小さなローカル鉄道ですが車窓から見える景色は森、湿原、海岸線と変化に富み、鉄道ファンだけでなく多くの旅人を魅了しています。
花咲線は1日の運行本数が少ないため、限られたチャンスを逃さないよう、写真を撮る方は運行スケジュールを事前にしっかり確認をしておきましょう。海岸線と原野を走り抜けるベストショットを狙えます。
花咲線を堪能した後はぜひ「根室のこんぴら様」こと「根室金刀比羅神社(ねむろことひらじんじゃ)」へ。
江戸時代後期文化3(1806)年の創建当初から地域に愛されてきた根室金刀比羅神社は、神職のいる有人神社としては日本最東端に位置します。五穀豊穣、商売繁盛、航海安全などあまたのご利益を司る大物主神(おおものぬしのかみ)を主祭神とし、かつて北方領土に鎮座した各神社の御神体をもお祀りしています。
そんな根室金刀比羅神社自慢の御朱印がこちら。波模様をベースにあしらった北方領土や四島の架け橋、朝日、サンマ、花咲ガニ、根室っ子自慢の大神輿と、“根室”のシンボルをこれでもかと詰め合わせにした、麗しくも贅沢な切り絵御朱印です。この切り絵を透かして景色をのぞけば、よりいっそう根室が楽しめる気がしてきます。
ちなみに、境内に設置された展望台からは根室港沖合に浮かぶ、祠の立った小さな無人島が見えます。こちらは「弁天島」。祠には、宗像三女神で知られる「市杵島神社(いちきしまじんじゃ)」が祀られています。この展望台からは弁天島とともに美しい夕日を拝むこともできますよ。
インフォメーション
住 所/北海道根室市琴平町1丁目4
電 話/0153-23-4458
社務所・神輿殿・お祭り資料館開館時間/8:30~17:00
(冬期間1月15日~3月15日は9:00~16:30)
※本殿参拝は24時間可能
青空がもっとも美しいお昼どきに訪れたのは「明治公園」。「日本の歴史公園100選」に選ばれた、明治8年創設の旧国立の牧場跡地を利用し整備された公園です。明治の近代化を象徴する貴重な産業遺産の一つであり、現在は市民の憩いの場として親しまれています。
明治公園のシンボルは、抜けるような青空と緑の芝に映える、赤いキャップが目印の(昭和初期に建てられた)3基の赤レンガ積みサイロたち。まるで絵本から抜け出たようなメルヘンチックなたたずまいは「フォトジェニックな近代化産業遺産ランキング」で栄えある全国1位に選ばれています。
根室一の“映え”スポットで名高い明治公園では、春には日本一遅咲きの千島桜が咲き誇るほか、期間限定で夜間のライトアップが行われることがあります。季節を通じてさまざまな表情が楽しむことのできるスポットです。
インフォメーション
住 所/北海道根室市牧の内81
電 話/0153-23-6111(根室市役所代表)
営業時間/24時間営業
入場料金/無料
落石海岸の先にある「別当賀(べっとが)パス」では根室のダイナミックな自然を体感することができます。
別当賀パスは「根室フットパス」の3つのコースのうちの1つ。フットパス(footpath)とは、もともとイギリスの農村地帯を中心に発展した、国有地や私有地、あるいは国籍問わず、全ての人に開かれた散策路や小径(こみち)のことです。歩く楽しさを通じて、地域の自然に親しみ、農場や古い街並み、あるいはその歴史とふれあう活動は、今、日本全国に広がっています。「根室フットパス」はその根室版として地元出身の5人の青年酪農家グループの主導でつくられました。厚床(あっとこ)、初田牛(はったうし)、別当賀(べっとが)の3つのコースのうち、今回は根釧(こんせん)地方の海辺の原風景と日本離れしたヨーロピアンな風景が楽しめるという「別当賀フットパス」を散策しました。
別当賀パスは、出発地点のJR花咲線別当賀駅から海沿いのお台馬場(おだいばば)まで片道5kmのコース。
本コースでは、海沿いに広がる牧草地とそこで草を食む馬や牛たち、旧馬場牧場にて昭和初期から使用されたレンガ造りとコンクリートのサイロ跡、かつてこの地で行われたワークショップの名残のモニュメント(お台馬場)、そして波浪に浸食された海岸線の断崖などに出会うことができます。
上を見上げれば水鳥が空を舞い、足元には愛らしい草花に加えてエゾシカなどのフンと足跡、波打ち際には波の花が咲き、聞こえてくるのは波音、鳥のさえずり、そして芳しい潮風……。心地よく全身で根室の自然を感じることができました。
どこまでも広がる緑の牧草地。確かに、日本とは思えないヨーロピアンな風景です。
インフォメーション
住 所/北海道根室市別当賀
電 話/0153-26-2798
(酪農家集団AB-MOBIT事務局 明郷伊藤☆牧場)
入場料金/指定場所にて通行証代わりの専用マップ(検印済)購入(300円)が必要 ※別当賀パスは、明郷伊藤☆牧場あるいは馬場牧場にてゲートの鍵の受け取りが必要
サンマ漁獲高日本一を誇る花咲港の近くにある花咲岬には、何かのモニュメントなのかと疑うような巨大なドーム状の岩があります。この岩は「車石」と呼ばれ、太古の昔、海底火山の噴火で流出した溶岩流が生み出した多角形の放射状節理から成る玄武岩群です。車輪状に形成された大小の車石のうち、直径6mにおよぶ最大のものが写真の車石。世界でも類を見ないこの車石は、国の天然記念物に指定されています。
柱状節理の絶景は国内外にあまたありますが、この車石の姿はきわめて稀で、一見の価値アリ!車石は大地に刻まれた地球の歴史と鼓動そのもので、海と大地のエネルギーを内に秘めているのでパワースポットとしてもひそかに人気です。
余談ですが、北海道を舞台にした人気漫画『ゴールデンカムイ』に登場する、土方歳三と土井新蔵(人斬り用一郎)が相まみえるシーンはこの車石の前でした。ちょっとした聖地巡礼でもあります。
インフォメーション
住 所/北海道根室市花咲港
電 話/0153-24-3104(根室市観光協会)
営業時間/24時間営業
入場料金/無料
黄昏時にはぜひ、再び春国岱に足を運んでみましょう。マジックアワーで暮れゆく湿原と散策路のシルエットが織りなす光景は実にフォトジェニック!思わず息を呑みます。
水鳥の群れが一斉に飛び立つ姿や、オオハクチョウらのシルエットも絵になります。
さて、一日を締めくくる絶景はやはり根室の夜空。日本本土最東端で見上げる星空はまた格別です。
星降る夜を堪能するなら、街灯りが届きにくく、かつ星景が引き立つ被写体のあるスポットを選ぶのがおすすめです。これまでにご紹介した春国岱や納沙布岬は絶好の星空スポットとなるでしょう。夜空を堪能したい方はぜひ星空指数を参考に旅行する日を選んでください。雲がなく、月明かりの影響を受けなければ南の方角に天の川が見られるかも。
撮影時は月明かりがまぶしく、残念ながら天の川は見られませんでしたが、昼間や夕方とはまた違った表情の春国岱の絶景が楽しめました。
今回見つけた絶景はほんの一部。日本本土最東端・根室のポテンシャルはこんなものではありません。
有名な観光名所から何気ない風景まで、また四季を通じてもさまざまに表情が変わり、まだ見ぬ絶景に出会える可能性は無限大。ぜひ自分だけの絶景を探しに、根室を訪れてみませんか。
All photos by MAYUMI